大雪山　御鉢平巡り（反時計回り）コース

2000m級の山々を抱く北海道大雪山系。その一角に広がる「お鉢平カルデラ」を巡る、健脚向けコース。層雲峡温泉街からロープウェイとペアリフトに乗り継ぎ、容易にアクセスできる黒岳七合目を起点に、直径約2,2kmの御鉢平の縁を反時計回りで歩く。黒岳ペアリフト降り場（黒岳七合目）から黒岳山頂までは1時間半ほどの距離。その先の黒岳石室の分岐から御鉢巡りが始まり、このコースでは北鎮岳、中岳、間宮岳、荒井岳、松田岳、北海岳と6座を縦走し、黒岳石室へと戻ってくる。 黒岳石室からまず目指すのは北鎮岳山頂。北鎮岳分岐からピストンで登る。北海道では二番目に標高が高い山で、雪解けの時期には北東斜面に白鳥・千鳥の形を現す雪渓を見ることができるだろう。「御鉢平展望台」まで来ると、初めてカルデラの内部を除くことができる。御鉢平の底部には、「有毒温泉」と呼ばれる強力な毒性を持つ硫化水素ガスの噴煙を伴う温泉が湧いており、内部への立ち入りは禁止になっている。大雪山はアイヌ語で「カムイミンタラ（神々の遊ぶ庭）」と呼ばれているが、この御鉢平のある表大雪周辺は、噴煙立ち上る荒涼とした火山独特の景観が広がり、まさしくその呼び名にふさわしい様相を呈している。非日常の風景の中で、北海道最高峰の旭岳や北鎮岳など大雪山の代表的な山々が360度に聳え、その美しさに思わず足を止めて見入ってしまうだろう。御鉢平の南側にある北海岳山頂からは眼下に御鉢平を臨み、目の前には北鎮岳を見ることができる。 コース上ではシマリスやナキウサギを見かけるチャンスもある上、春から夏には可憐なコマクサやチングルマ、エゾノツガザクラなどの高山植物も咲き競う。九月には日本一早い紅葉も楽しめる。