タデ原湿原散策コース

やまなみハイウェイ沿いの景勝地の一つ、長者原に広がるタデ原湿原とその周辺の森を巡る。標高1000mの場所に位置する湿原のため、真夏でも涼しく、避暑地のハイキングとして快適に歩くことができる。タデ原湿原内には木道が敷かれ、一部はバリアフリーとなっていて、子どもからお年寄りまで安心して歩くことができる。 タデ原湿原は雨水と地下水両方によって涵養されている中間湿原で、山岳地域に形成されている中間湿原としては国内では最大級の規模となる。2005年には国際的に重要な湿地としてラムサール条約に登録された。7月から9月にかけては一年の中でも特に様々な花が開花する時期で、約2週間程度で次々と見ごろの花が入れ替わる。毎年3月から4月に行われる「野焼き」によって湿原の植生が維持されている。黒い大地の上に黄色い花を咲かせるキスミレは、野焼きの後の新芽が芽吹く時期の見どころの一つ。タデ原木道に入って一つ目の突き当りではアブラメという名の魚が生息している。また、キツネやノウサギ、キジ、九重町の鳥カッコウなどが茂みの中に見られることも。コース後半のブナやクヌギの森の中も、バリアフリーではないものの、起伏はほとんどない。落葉広葉樹の木漏れ日の中、一面ミズゴケに覆われた場所もあり、変化に富んだ森の中を散策する。クヌギの幹をよく観察すると、ミヤマクワガタが見つかることも。ただしタデ原は阿蘇くじゅう国立公園特別地域内のため、動植物の採取は禁止されている。昆虫を見つけても写真撮影などで楽しもう。 長者原ビジターセンターは、タデ原湿原の入口に位置する入館無料の施設で、ベビーカーや車いすの無料貸し出しも行っている。館内では映像や展示によって、くじゅうの自然や歴史、タデ原湿原の最新情報等を知ることができる。二階の展望室からはタデ原湿原やくじゅうの山々が一望でき、一階はタデ原湿原の散策路につながっている。